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流通のこと

今回のロワール研修をコーディネート、案内してくれるのはこちらの竹下さん。

流通のこと_f0097199_1432682.jpg

もちろん、右が竹下さん、左はマルク・ペノ

いや、ホントにお世話になりました。

『ロワールを大西洋から中央フランスまで制覇したい』
という私の強引なお願いを快く引き受けて頂き、
生産者とのスケジュール調整や様々な手配をしていただきました。
旅行中も運転に通訳と完全におんぶに抱っこ状態でした。
こんな有意義な研修にできたのも彼のお陰です。
ありがとうございました。(あ、ブログ見てないか)



皆さんは輸出会社という言葉を聞いたことがありますか?

ワインの世界だとネゴシアン(ワイン商)という言い方もありますが、
ネゴシアンの場合、もう少し意味が広義にわたるので少しニュアンスが異なってきます。

実は日本に輸入されているワインのうち、
かなりの数が輸出会社、ネゴシアンを通して輸入されています。
そして、日本側の受け入れ先が輸入会社、いわゆるインポーターさんです。

輸出会社は海外取引を円滑にし、
現地の最新情報や生産者情報などを日本にある輸入会社紹介し、
逆に生産者側にも海外での評判や輸入会社の信用情報などを伝える役割があります。
通常は仲介したワインのコミッションを収入源としています。
現地駐在員を置けないような中小規模の輸入会社にとっては必要な存在です。
(現地に駐在員を置けるような会社は巨大なところだけです)

そんな輸出会社の中で、日本市場で最も有名な会社がエノコネクションです。
竹下さんはそのエノコネクションの日本側の代表です。
日本における通称はクラブ・パッション・ド・ヴァン(CPV)といいます。

後ほど登場しますが、
そのエノコネクションの代表が伊藤與志男さんといって
あの田崎さんがフランス修業時代の師匠と仰いでいたりします。
(私が伊藤さんの名前を知ったのも田崎さんの本でした。)

長くなりそうなので興味のある方だけどうぞ




私たちの手元にワインが届くまでには
とっても沢山の人の手がかかっています。
最近では、野菜や魚なんかもそうですが
産地直送などによって流通コミッションを省く商取引が増えています。
ワインの世界でもワインショップが輸入を始めたり
レストランがショップを始めたりしますが実は長続きしないことがほとんどです。
2、3年はできるでしょうが、何年も伸ばし続けることができるのは一部の方だけでしょう。

なぜなら、食材なんかは日々の天候によって大きく影響される訳で
一部の漁港から直送しても、悪天候が続けば魚が手に入らないということも。
そういう時に活躍するのが魚屋さんだったり、市場だったりするのです。
毎日、安定して供給するために市場というものが出来上がったのです。

ここでは一部しか書きませんが、本当はもっといろいろな意味があります。
必要だからこそ、経済の中で流通業者が誕生したのです。

逆に漁師さんや生産者からみても
流通のコストや手間が省け、生産に力を入れることができます。
信用取引も楽になることでしょう。
宣伝、営業マンを雇っているようなものですから。

ワインの場合も全く同じです。
ワインはそのヴィンテージの出来に関わらず
毎年、何万本と生まれてきます。
良い年だけ買って、出来の良くない年は買わない。
これでは生産者は生活できません。
なので、輸入会社は毎年そのワインをある程度買ってあげなければなりません。

もちろん欠陥品を買えと言っている訳ではなく、
ヴィンテージの個性の話をしています。
そのヴィンテージの味わいが好みの人を見つけて売ればいい訳です。

私たちのようなワインショップにはその縛りがあまりありません。
なので、自由にワインを仕入れることができます。
良い年、悪い年を判断し、自分たちの好みで仕入れ、販売することができます。
もちろん好きな生産者は、関係なく毎年買いますが(笑)

中小のショップが輸入を始めたとしても
身の丈に合わない無理な大量仕入れは、
結局、お客さんに無理に売らなければ完結することができません。
翌年、前の年の在庫が残ってるからと言って仕入れてあげなければ生産者が困ります。
ワインは毎年、何万本、何十万本と生まれてくるのです。

他にも色々ありますが、直取引にはお互いにこういった多くのリスクが伴う訳です。
そういうリスクを軽減するために色んな形態の流通業者がいるのです。

じゃあ、なぜ直取引をしたがる人が増えたのか?

値段だけなら普通は卸業者向けの値段があるので、
実際は直取引しても、業者を通して仕入れても
ロットによってはあまり変らなかったりします。

それでも、直取引は確実に増えています。

それは情報の量と質の問題だと思います。
流通の流れの中で生産者に近づけば近づくほど情報量が多くなります。
ワインの世界での情報量の差は他の業界よりも顕著でしょう。

今のワイン業界では、物が流れれば流れるほど情報が減っていきます。
生産者の『熱い想い』も冷めていき、消費者の手元では普通のワインと並べられてしまいます。
今の現状は流通の怠慢が引き起こした、いわば当然の結果なのです。

流通の人間は、もっと発信しなければいけない時代ではないでしょうか?
値段を高くするだけの存在であれば、不必要と言われても仕方ないでしょう。

量・値段・スピードが今までの流通に求められていたことですが、
これからは熱い情報も不可欠だと思います。
(ショップには選択眼ももちろん必要でしょう。)

FUJIMARU設立からずっと情報発信はしてきたつもりでしたが
全然足りていないことを痛感しています。

私たちの力だけでは微力すぎるので
生産者をはじめ、エノコネクションのような生産者に近い人たちやインポーターさん、
レストランさんと協力してもっともっとできることがあるのではないかと強く強く思いました。


あ、次は絶対生産者のこと書きますから。
by wine-fujimaru | 2010-02-10 16:03 | ワイン


【2018年4月現在・移転準備中です】大阪・日本橋のワイン屋の日常


by wine-fujimaru

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